大和ハウスリート投資法人

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TCFD提言に基づく開示

方針・基本的な考え方

近年、世界や日本各地で気候変動が要因と考えられる気候災害が頻発しています。これらを抑えるために、2015年に開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)ではGHG排出量を実質ゼロにすることを目指す「パリ協定」が採択されました。2020年10月に日本政府は2050年カーボンニュートラルを宣言し、2021年10月には2030年度におけるGHG排出量を2013年度比46%削減するという意欲的な目標に改めており、企業及び団体等における再生可能エネルギーへの積極的な転換が不可欠となってきました。
2022年11月にCOP27がエジプトで開催され、1.5℃目標達成に向けてGHG排出削減を進める世界全体の決意は揺るぎないことが示されました。
本投資法人においては、これらの動きに賛同し、2050年度までのGHG排出ネットゼロ目標を策定し、これらの目標が、パリ協定が求める水準と整合し科学的な根拠に基づくものであるとして、SBTイニシアティブ(SBTi)による認証をJ-REITで初めて取得しました。

TCFD提言への賛同及びTCFDコンソーシアムへの加入

本資産運用会社は、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、国内賛同企業による組織である「TCFDコンソーシアム」へ加入しました。

TCFDについて

TCFDは、G20の要請を受け金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び金融機関における対応をどのように行うかを検討する目的で設立された国際イニシアティブです 。TCFDは、企業等に対して気候変動関連リスク及び機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について把握・開示を推奨する提言を公表しています。

TCFDコンソーシアムについて

TCFDコンソーシアムは、国内のTCFD賛同企業や金融機関等が一体となって取組みを推進し、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取組みについて議論する目的で設立された組織です。

J-REITで初となるSBTi認定を取得

本投資法人は、2030年度までのGHG排出削減目標を策定し、これらの目標が、パリ協定が求める水準と整合し科学的な根拠に基づくものであるとして、SBTiによる認定をJ-REITとして初めて取得しました。

SBTについて

SBT(Science Based Targets、科学的根拠に基づいた排出削減目標)とは、パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定するGHG排出削減目標のことです。また、SBTiは、CDP、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)及び世界資源保護基金(WWF)が共同で運営する国際イニシアティブで、SBT目標を設定する企業を認定しています。

KPI・主な取り組み

項目 対象範囲 基準年度 目標年度 目標
GHG排出量
(Scope 1+2)
全物件 2020年 2030年 総排出量を42%削減

SBTi認定(2022年2月)

GHG排出量
(Scope 3)
把握可能な物件 2020年 2030年 総排出量を算定し削減

SBTi認定(2022年2月)

GHG排出量
(バリューチェーン)
全物件 2020年 2050年 ネットゼロ

SBTi認定(2022年8月)

TCFD提言に基づく開示

  • 本資産運用会社は、TCFDによる提言に賛同を表明し、同提言に基づく気候変動に係るリスク管理や取り組みを推進しています。
  • 2021年10月に一部改訂されたTCFD提言内容及び新たなガイダンスを参考に情報を開示します。
項目 主な内容
ガバナンス
  • 本資産運用会社は、「サステナビリティ推進体制規程」を制定し、社内体制やステークホルダーとの協働、情報開示方針等について定め、適切なサステナビリティ推進態勢の確保を図っています。
  • 取締役会は、サステナビリティ委員会から気候関連等の地球環境問題への配慮、自然災害等への危機管理等について報告を受け、モニタリングを行います。
  • 本資産運用会社の代表取締役社長は、取締役会ける気候関連の最高責任者ならびにサステナビリティ委員会の最高責任者として、気候関連の各種目標・施策の最終的な承認や取組状況の評価、見直しの指示等を行っています。
ガバナンスについては、こちらをご覧ください。
  • 2017年5月に発足したサステナビリティ委員会を、2022年4月に正式な会議体に引き上げ、毎月1回以上開催することとし、サステナビリティに関する高い見識及び経験を有する社外専門アドバイザーを選任しています。
  • サステナビリティ委員会では、気候関連課題への対応を含むサステナビリティ関連の方針、戦略立案に関する審議及び決議、業務の執行に関する審議及び決議を行います。
戦略
  • 本資産運用会社は、気候変動により引き起こされる異常気象や気候変動対策への社会要請が高まってきていることを受け、将来的に本投資法人に及ぼすリスクと機会を把握するとともに、現状の気候変動対策の有効性を検証し、分析を実施しました。
シナリオ分析については、こちらをご覧ください。
  • TCFD提言に従い、2°C未満シナリオ及び4°Cシナリオの複数シナリオに基づく分析を行い、更にSBTi認定目標の達成に向けたロードマップを策定しています。
ロードマップについては、こちらをご覧ください。
リスク管理
  • 本資産運用会社では、気候変動リスクを中長期的に事業への大きな影響を与えるリスクの一つと認識するとともに、リスクを機会としても捉え、全社的なリスク管理プロセスに統合し管理しています。業務に内在する気候変動を含む種々のリスク及び機会を正確に把握し、これらのリスク及び機会が実現することにより生じ得る損失及び利益を適切に管理するための体制を整備し、経営の健全性を確保し、業務の適正な運営に資することを目的として、「リスク管理規程」及び「リスク管理実施要領」を社内規定として定めています。
リスク管理については、こちらをご覧ください。
  • 取締役会は、別途定める戦略目標を踏まえ、リスクの所在と性質等を認識した上で、「リスク管理方針」に基づき、適切なリスク管理体制の整備を統括するものとしています。
  • 代表取締役社長は、「大和ハウスグループ・リスク管理規程」の定めに則り、全てのリスクについて責任を全うするとともに、適切にリスク管理体制を整備し、リスク管理を推進及び実施すべき責務を負うものとしています。
  • リスク管理に関する責任者であるコンプライアンス・オフィサーは、リスク管理方針に沿って、リスクの種類に応じた測定・モニタリング・管理等の手法を構築し、その実効性を確保するための社内規定を整備するものとしています。
指標と目標
  • 本投資法人では、 2030年度に2020年度比でGHG総排出量を42%削減することを目標に掲げ、SBT1.5°C目標としてSBTiからJ-REITで初めて認定されました。更に、 2050年度にネットゼロを長期目標に掲げています
  • 内部炭素価格を20,000円/t-CO₂で設定し、低炭素化推進工事へのインセンティブ、投資の意思決定の指針及び将来のコスト増に関するリスクの特定の参考指標として活用しています。
指標と目標については、こちらをご覧ください。
  • 保有物件の環境負荷低減の取り組みについての客観性、信頼性を高め、中長期的な資産価値向上を企図して、第三者による外部認証及び評価の取得を進めています。 保有物件における環境認証の取得割合(延床面積ベース)を2030年度までに70%以上に引き上げていく方針です。