方針・基本的な考え方
本投資法人及び本資産運用会社は、保有物件を通して安全で快適な空間の提供することで、競争力を高め価値の向上を図ります。また、BCP(事業継続計画)を重視し、災害・レジリエンスを考慮した取り組みを推進するとともに、地域における雇用創出を促進することで地域の活性化に努めています。
今後も、地域の人々と共に社会課題の解決に取り組むことで、地域社会から信頼される企業となることを目指していきます。
社会的課題解決に取り組む団体を支援
大和ハウスグループでは、被災地支援や社会的課題解決に取り組む団体を支援しています。その方法の一つとして、従業員がイントラネット上で簡単に募金を行えるシステムを構築しています。募金には社会的課題解決に取り組む団体を支援する「エンドレス募金」と災害発生時に義援金を募る「ハート募金」の2種類があり、社会情勢などに応じて支援を行っています。
また、この活動は従業員にとって気軽に参加できる社会貢献活動として広く推進しており、従業員の募金意識が向上することで、より多くの支援ができるよう継続して取り組んでいます。
地域活動支援
本投資法人が保有する一部の商業施設において、地域活動支援の一環として、催事等のイベントを開催しています。
本資産運用会社では、(1)自然環境保全(清掃活動、リサイクル運動)、(2)教育・青少年育成(出張授業、体験教室、スポーツ指導)、(3)社会福祉(高齢者福祉・児童福祉・障害者福祉)、(4)国際協力(海外でのボランティア、外国語通訳など)、(5)ボランティア養成講座・必要資格の取得(介護技術・手話講座)、(6)地域とのふれあい(町内会の行事)、(7)災害救援活動等、従業員が行なう社会貢献活動やその訓練等のために「地域共生休暇制度」を設け、地域共生活動をサポートしています。具体的な活動として、公共公園施設管理事務所の呼びかけに応じての清掃活動、「本で寄付するプロジェクト」への参加並びに高齢の中国帰国者が日本語会話を学び、交流を図る場で、日常の会話練習を支援するボランティアへの参加を行ってきました。
フォレオ大津一里山
難民支援活動に賛同し、本投資法人が保有するモール型商業施設「フォレオ大津一里山」において、国連難民サポーター募集、募金活動等のスペースを継続して無償提供したことにより、2020年12月に国連UNHCR協会から感謝状を授与されました。
また、滋賀県民の方を対象とした予約不要の無料PCR検査会場を平面駐車場(検査テント)に設置し、滋賀県PCR等検査無料化事業に協力しました。
カスタリア目黒かむろ坂
本資産運用会社は品川区社会福祉協議会と協議し、パーティールーム(約65㎡)を有効利用する目的で2022年12月から子ども食堂開催の場として提供しています。子ども食堂は、地域の子どもや住民に安価で栄養のある食事とともに、利用者同士の温かい交流の場を提供する社会福祉活動の一環として行っています。
本投資法人及び本資産運用会社は、地域の子どもや住民、及び子ども食堂の開催者の橋渡しをすることで、地域活動を支援しています。
GRANODE広島
広島市では、街を魅力的にしている建物や看板、活動などを市民の皆さんから広く募り、その中から特に優れたものを「ひろしま街づくりデザイン賞」として表彰しています。オフィス、商業施設及びホテルの複合施設「GRANODE広島」のイベント広場で幅約20m、長さ約100mのスペース「エキキターレ」は、2020年の「第17回ひろしま街づくりデザイン賞」を「街並み部門」において受賞しました。
<選考理由>
①広島の陸の玄関口である広島駅に程近い場所にあり、イベント広場として活用できる貴重な空間で、新たな賑わいの場を創出し、地域に貢献している。
②普段は風通しが心地よい落ち着いた空間でありながら、イベントをするために必要なインフラも整っており、利便性の高さやイベント主催者へのおもてなしの心を感じるつくりとなっている。
地域の雇用創出
本投資法人が保有する一部の商業施設において、地元の方を優先して従業員の募集を行っています。
災害支援・レジリエンス
アクロスモール新鎌ヶ谷
「アクロスモール新鎌ヶ谷」が所在する千葉県鎌ケ谷市では、大規模な地震等の災害が発生し、水道の給水が停止した場合に、近隣の被災者へ井戸水を提供できる井戸を「災害時協力井戸」として登録を行っています。本投資法人は、当制度の趣旨に賛同し、本物件において利用されている地下水について、災害時協力井戸として登録しています。
フォレオ青梅今井
本投資法人は、東京都青梅市と「災害時等における駐車場提供協力に関する協定」を締結しています。この協定は、商業施設「フォレオ青梅今井」について、青梅市の区域内における災害時等(線状降水帯、台風その他の豪雨が発生した場合、または発生するおそれがある場合)に、地域住民等の車両の緊急避難先として、本物件の駐車場を無償で開放することを定めたものです。
本物件の駐車場は平面駐車場に209台、屋上駐車場に143台確保されており、そのうち屋上駐車場の約70台分の区画が無償開放の対象となります。
本物件は、圏央道「青梅IC」に近く、西側にJR青梅線、東側にJR八高線が走り、大型商業施設が集積するエリアに立地しアクセスは良好です。また、「青梅市防災マップ」においても、本物件は、風水害時の浸水予想区域外であることから、緊急避難先に適していると言えます。これらの本物件の特性を活かし、風水害等対策について自治体と連携することで、地域に貢献することを目指します。
大規模水害対策
DPL流山Ⅰ
本投資法人は、千葉県流山市と「災害時等における一時避難施設としての使用に関する協定」を締結しています。この協定は、物流施設「DPL流山Ⅰ」について、大規模水害等が発生した際に、近隣の住民などの一時避難施設として市が使用することに協力するものです。
この協定の目的は、市内を流れる江戸川が豪雨等の影響で氾濫した際、近隣の住民や近接する流山工業団地で働く従業員などを避難所が開設されるまでの間、一時的に受け入れることで、周辺地域における災害時の安全を確保するためです。
DPL流山Ⅰは、免震構造やバックアップ電源の確保など、最新のBCP対策が施されています。災害時には、同施設のうち敷地内の駐車場と各階に設けられた車路(床面積は各階3,000㎡)、施設内のカフェテリアや託児所を一時避難所として提供することで、最大1,200人の受け入れが可能で、防災品の備蓄も500人分を用意しています。
また、各階の車路にアクセスするランプウェイが併設されており、車で避難してきた避難者が乗車したまま上層階の車路へ避難することができます。そのため、迅速な避難が可能であるほか、各避難者がそれぞれの車内で待機することで、感染症などの感染拡大を防止する効果も期待できます。
BCP(事業継続計画)対応
災害時でも、テナント、利用者及び地域の方々に安全で快適な施設として利用いただけるように、様々な観点からBCP対応の充実を図っています。
Dプロジェクト町田、Dプロジェクト久喜Ⅲ、DPL三郷、DPL流山Ⅰ
地震発生時に荷物や設備のダメージを最小限に抑え、建物の機能を維持できるよう、免振構造※を備えています。免振構造により、揺れを軽減できるため、上層階の荷崩れを抑制し、短時間で事業の再開が可能となっています。
※地盤と建物の間に積層ゴム等の免震装置を設置し、建物への地震力の伝達を低減する構造です。
GRANODE広島
制震構造※を備え、非常用発電機による72時間の電力供給のほか、テナント用発電機スペースを設置しています。
※建物内に揺れを吸収するダンパ等の制震装置を設置し、揺れを低減する構造です。
社会に配慮した取り組み
本投資法人では、保有物件において、バリアフリー等の社会に配慮した設備やサービスの導入を推進しています。
健康と快適性
健康と福祉
本投資法人は、保有物件にフィットネスジム等の施設を設置することで、テナント・利用者への健康と快適性の提供に貢献しています。
安全と快適性
本投資法人が保有する一部の物件において、公共空間を充実させ、安全と快適性を促進するため、広場・歩行者専用通路の設置・維持管理を行っています。
(ダイワロイネットホテル那覇おもろまち)
シニア施設
本投資法人は、日本の高齢化社会の進展に対応するために整備・拡充が求められ、今後も一定の需要が見込まれる高齢者向け施設・住宅(サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム等をいいます。)を保有することで、安心して生活できる社会の実現を目指します。
保育施設
政府は2017年6月に「子育て安心プラン」を策定し、待機児童を解消する方針を公表しています。本投資法人は、保有物件に保育園、託児所等の保育施設をテナントとして誘致し、子育て支援をサポートしています。
都市部の既存開発地域への投資
本投資法人は、再開発事業、土地区画整理事業等により開発された物件への投資を通じ、都市再生及び地域の活性化に貢献し、街並み及び周辺住民の利便性を向上させます。
主要な物件
みなとみらいアーバンタワー
Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅶフォレオ菖蒲
地域社会関連の違反・事故
本投資法人の保有物件において、ステークホルダーに影響を与える地域社会関連の重大な違反・事故はありません。(2023年度)